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2015.04.23 Thursday

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    コペンハーゲン便りが届きました。11月25日。

    2005.11.25 Friday

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      こんにちは、店主です。

      コペンハーゲン在住の邦子・ラスムセンさんからお便りが届きました。

      第2回目は「芸術の秋論」です。



      2005年11月25日



      こんにちは。
      孫のお守りで、近所の湖の白鳥、鴨、アヒルに古いパンをあげて帰ってきました。
      主人が同じ通りに住んでるおばあさんと

      「今日みたいな天気がデンマークのティピカル(典型的)な天気と言うのですよね。」

      とはなしてました。どんより曇って、今にも雨の降りそうな寒い天気です。11月、晩秋というのですね、きれいに色ついていた木々も、そろそろ枯葉を落とし始めています。

      先日は珍しく、主人と2人で12kmの散歩をしました。散歩道、自転車、車で通る道、日本の紅葉とは比べものになりませんが、やはり、きれいです。見るだび楽しくなる、ウキウキする、お天気さえ良ければ枯葉の上をごろごろ転がりたいような気になります。

      残念ながら、デンマークは本当に小さい国ですので、緑の多い散歩地帯でも近くをモーターウェイが走っているのが普通です。私は散歩できて運動になれば、どこを歩いていようが車の音が聞こえようが、まずかまわないのですが、主人は音に敏感なのでしょうかねー、文句を言います、自然が台無しになると。正直言って、自分のいびきは聞こえないようですが...。



      少し前ですが、8月の第2土曜日にはコペンハーゲンの大きな公園で野外コンサートがありました。王立劇場で9月から上演するオペラの中から、オペラ歌手達が選んで歌ってくれる野外コンサートはなんと無料です。



      秋と言えば、日本では、天高く馬肥ゆる秋、芸術、読書、スポーツの秋、等々言いますね。デンマークでは秋になったからどうのこうのということはないのですが、成人教室が始まるのは9月です。

      秋になると一斉に始まる、あらゆる種類の成人教室は夜間の授業が多いんです。コンピューターから、料理、外国語、体操、絵画等々、たくさん選択できます。

      そして、劇場も、オペラ、ミュージカル,演劇等を上演します。日照時間がだんだん少なくなって、寒く、暗いデンマークの秋、冬を楽しむため、冬眠みたいな感になるのを避けるためかも知れません。これも、芸術の秋ですよね。

      先日、冬時間(サマータイム制が終わり)になり、4時過ぎには暗くなります。自転車を無灯で走っていると、罰金取られてしまいます。




      さて、私は、人生で初めてといって良い、一ヶ月に2回美術展に行きました。すごく自慢したくなります。何か、いっぱしの教養人になった気がします。

      まずは「シャガール展」。ここでは、一緒に言った若いユダヤ系アメリカ人と、旧約聖書読み直さなければと話し合って、今、子供用の旧約聖書読んでます。シャガールの絵の題材が旧約聖書のお話が多かったのです。

      先日行ったのは「ゴーギャン展」。ゴーギャンはデンマークの女性と結婚してまして、結構、彼女や子供たちをモデルにしてます。ですから、現在、デンマークにはゴーギャンの苗字の家族が居るのです。1884年から85年まで1年だけデンマークに住んでましたが、この暗くて寒い気候は彼に合わなかったようで、息子の1人を連れてパリに帰ってしまいます。ゴーギャンが彼自身の描き方に到達する前、つまり、初期の作品は印象派で、この時期のだけ集めて美術展を開いてるところがOrdrupgaardです。



      http://www.ordrupgaard.dk

      をごらんください。この美術館はウィリアム・ハンセンという人の邸宅に彼の収集した芸術品を納めています。国内、外の印象派の絵が主です。
      今年の秋、イラク出身、イギリスで活躍中のアーキテクト、Zara Hadidがアネックスをデザインして、その斬新さが話題を呼んでいます。オープニングの美術展です。1900年初期の邸宅に、21世紀のモダーンな建築は、すごく違和感を呼ぶと私は思うのですが、なぜか防空壕みたいな、黒い戦艦みたいな感じに見えました。最近は古いのに、モダンな建築をアタッチするのが良いみたいです。カールスベア(日本ではカールスバーグ、ビールメーカーですね)とか、国立美術館がそうです。

      まあ、こんなわけで、あまり知られていない、ゴーギャンの初期の絵を堪能することができ、大変うれしかったです。もちろん、作品の中の何枚かは、カールスベア美術館の印象派部門から借り出しているので、それは見たことのある作品でしたが、何度見ても素敵です。セザンヌの影響大なりとわかるのは、彼が初期セザンヌの率いるグループと付き合っていたからだそうです。

      それに、このところ美術館はミュージアムショップのほかに、感じの良いレストランもするようになって、少々高いけど絵を見て高尚な気分になっているところに、少々高い昼食なんてすると、スノッブなのか悪い気はしませんね。


      芸術の秋論、邦子



      いやー、ますますまた行きたくなりますね。冬のコペンハーゲンもよさそうです。間違いなく寒いと思いますが...。次回をお楽しみに〜。