ばば。
2010.03.31 Wednesday
ばば。
ばばは今年94才。
もう言葉は話せなくなってしまったけど、
歩くこともできなくなってしまったけど、
もうおそらく、私のことも誰か分かってないかもしれないけど、
いつまでたっても、ばばはばば。
出かけ際に、手をふると、
ベッドの上から、
しょぼしょぼの垂れ目に、かすかなホホエミを湛えて、
ひょこっと手を振り返す仕草が、
どうしようもなく、かわいらしい。
その容姿は今、どんどん子供に戻っているよう。
小さく小さくしぼんでゆく。
彼女の時計の針だけ高速逆回転しているみたい。
幼少の頃に見た、筆を持って「書」と向き合っている、
シャキッとした面影は、もうそこには微塵もない。
でも、ばばはばば。
このひとが父を生み落とさなければ、
僕はこの世に存在しない。両親も然り。
だからきっと、
誕生日にはこの人たちに感謝するのが良い。
年を重ねるにつれてわかってくる、いろいろなこと。
風を切って歩くより、
風を感じながら歩くほうが気持ちが良い。
酸欠状態で走っていたらたぶん気がつかない。
疲れたら、一度立ち止まって、深呼吸。
もしかしたら、
本当に一番大切なことは、
自分の一番最後のときに、
ようやく、気がつくのかもしれませんね。
ばばは今年94才。
もう言葉は話せなくなってしまったけど、
歩くこともできなくなってしまったけど、
もうおそらく、私のことも誰か分かってないかもしれないけど、
いつまでたっても、ばばはばば。
出かけ際に、手をふると、
ベッドの上から、
しょぼしょぼの垂れ目に、かすかなホホエミを湛えて、
ひょこっと手を振り返す仕草が、
どうしようもなく、かわいらしい。
その容姿は今、どんどん子供に戻っているよう。
小さく小さくしぼんでゆく。
彼女の時計の針だけ高速逆回転しているみたい。
幼少の頃に見た、筆を持って「書」と向き合っている、
シャキッとした面影は、もうそこには微塵もない。
でも、ばばはばば。
このひとが父を生み落とさなければ、
僕はこの世に存在しない。両親も然り。
だからきっと、
誕生日にはこの人たちに感謝するのが良い。
年を重ねるにつれてわかってくる、いろいろなこと。
風を切って歩くより、
風を感じながら歩くほうが気持ちが良い。
酸欠状態で走っていたらたぶん気がつかない。
疲れたら、一度立ち止まって、深呼吸。
もしかしたら、
本当に一番大切なことは、
自分の一番最後のときに、
ようやく、気がつくのかもしれませんね。