コペンハーゲンのこと「コルシカより。」 2012年6月20日
2012.06.22 Friday
5月末から3週間、車でドイツ経由で北イタリアに早めの夏休みの計画だったのですが、主人の母上が入院したりして旅行がキャンセルになりました。その後、母上が退院、元気になったので、主人の兄弟達と相談の上、1週間の旅行に発ちました。デンマークでは、チャーター旅行の残りとかキャンセルされた切符を1週間から1日前までに安く売り出します。出発3日前に半額とは行きませんが、1人3400クローナで、1週間コルシカ島に行ってきました。船でイタリアからは短距離、フランスからは、6-10時間くらい。
コルシカはご存知のように、ナポレオンが生まれた島。彼が生まれた時はフランスの支配下だったけど、それ以前は200年ほどイタリア、つまりイタリアが一つの国として成り立つ前は、ナポリ、ジェノバ、ピザ、ベニス、フィレンチェ等々に分かれていて、その頃、ピサとジェノバの支配下にあったので、当時の砦が各市に残ってます。私達が泊まったホテルのあるカルビはコルシカの北部。コルシカは、デンマークの首都のあるジーランドとほぼ同じ面積とか、でも、車で1週間は無理でした。勿論、宿泊地を毎日かえれば可能。
コルシカ人は、旅行シーズン5月から10月までレストラン、旅行商売で収入を得て、冬場は、若い人は主にフランスに出稼ぎに出るのだそうです。Green Tourismが盛んな島。フランスの州の1つでなる島です。料理は、コルシカの山岳、田舎料理と、海に囲まれてるから魚料理もお勧めなのだそう。フランス、イタリア料理系です。
5月はまだ旅行者がたくさん来てないさわやかな季節。山歩き、ジョっギング、ランニング、自転車、モーターバイク、山登り、水泳、海のスポーツと運動するのにすばらしい島。私と主人はプロ級の山歩き人間でないので、1日おきに、歩きました。
旅行社がスウェーデンだったので、ガイドさん、ホテルの従業員は若いスウェーデン人。ちょうど、旅行2-3日前のニュースで、デンマーク人はスウェーデン、ノールウェー語をわかる人、話せる人が少ないので、北欧内でデンマーク以外の土地で就職は無理。でもスウェーデン、ノールウェー人は、互いに理解し合えるから、両国での就職はスムーズだという事を聞きました。確かです。私も主人も、言ってることの90パーセントはわからない。
以前もギリシャ旅行したとき、スウェーデンの旅行社を使用して、到着後、ガイドツアーを買ったけど、説明が理解できなくて損した感じになッた事があります。今回は、車3日借りて、自分達で好きな所へ行きました。バス、電車はあまり頻繁にはないらしい。
私も主人も、セミプロの登山靴は持っているのですが、一年1度使用。山歩き用、何Km、使用時間3時間半なんていうルートを選べば、5時間はかかるのです。以前、ノールウェーに行った時、高尾さんで見る完全武装の登山家並ではないのですが、立派な靴だけは持ってるので、山のぼりに出かけました。
出発点で船から降りるノルウェー人は、普通のズックとか、子供はサンダルで、自分達は少し恥ずかしかった。歩いているうちに、段々置いてけぼりになって、2800mのトップにたどりついた時は私達だけ、それからまるで死の国を歩いているような、つまり、木が生えることが出来ない高さなので、岩、石ころだけの道をテクテク歩いて、山すそに人家を見つけたときは嬉しかった。だから、絶対無理はしないことにしてる。主人と2人で5時間は無理だよね、1日かかるから。
コルシカには、マキといわれる植物がある。つまり、岩の上に土があって、その上に生える植物群。3mくらいまで生えることもある。野生のバラ、芥子、萩、サボテン、ラベンダー、数種の薬草、例えば、タイム、月桂樹、ローズマリー、ミンツとか、歩いていると、香りが海の香りと混じってさわやか。海は勿論、雨が降ってもアズアブルー。
雨の中、北半島をドライブした時は、ナポレオンが最初に島流しになったエルバ島が青く見えました。この半島の西側は断崖絶壁で、ところどころに小さい漁港がありました。漁師だけでは食べていけない人たちが、フランス、アメリカ、カナダ、アルゼンチンへと移民したのだそうです。でも青い海、緑の島を忘れることが出来なくて、死んだ時は生地にもどることを夢見て、お金をためて海を眺める丘に、小さなお家というか、カトリックのお墓で、よく見かけるモーセリウムとか言うお棺を収める小さな家を建てたそうで。ドライブしていると、十字架を屋根の上に飾ったまるい屋根や三角屋根の小さなお家が点々と、山間、丘に海を眺めてたっているのです。何家用って書いてありました。
1度目の散歩、山歩きは、雨の中、海岸線13km。かささしてレンコート着て黙々と歩く。2度目は車で大分上まで行って、そこからハイキングルート9km。3.5時間だって。2つ目の村の観光スポットの古い教会から上を眺めると、山の天辺にある村が見える。主人がハイキングが終わったら、あそこまでドライブしようといった村。500mの斜面。
歩こうよという事になった。ロバの糞があるから歩けるんだよ、とすごい急斜。やっとハアハア言いながら、たどりついた村のふもと、そこからまた登る。絶対飲み物飲めるよねと念を押して。あるある良かった。ところが「食べるの、飲むの?」と聞かれて、食べるのでなければ、今日は閉店ですといわれた。酷い。
でももう1軒あった眺めの良いロマンチックな所。旅行ガイドを読むと、昨年コルシカで一番綺麗な村の賞をもらったとか。ここはまだ、たくさん見るところあるらしいよと、歩くと古い石のお家があって、眺めが良いから、レストランが結構ありました。St.Antonioという村です。80人ほどの人口とか。
そこから終点目指して歩く歩く。すばらしい眺め、オリーブ畑といっても野生みたい。あまり、整理整頓されてない。牛の声も聞こえる。トカゲが日向ぼっこしてる。このルートはあまり使用されてない様子で、雑草がわんさか、特にちくちく刺さるイラクサが酷い。
そして、なんと角を構えた牛が3頭、モーって前方の狭い道を閉鎖してる。主人に後戻りしようよというと、主人が子供の頃、農家で夏休み過ごしたことあるから、よしよしなんてあやして、牛が下へ降りてくれた。帰ってきて、隣の部屋のノールウェー人夫婦に話しをすると、コルシカはハイキング中に転んだり、落ちて怪我をするより、牛に攻撃されて怪我をする人が、多いのだそうよって。怖い。
コルシカ人が、フランスがEEC加入した際、酪農用の経済援助をもらうために、牛をたくさん買ったのだそう。お金もらったら、もう用ないからって、離し飼いで、たくさんの牛が半野生化してるそう。ちゃんと世話して、ミルク使用すれば、ミルク製品をフランスから取り寄せなくても良いのにと思った。
気候も良いし、1年の大半は緑に覆われてるのだから、肥料の心配もないのに。ちなみに、レストランの主食の1皿は子牛の赤ワイン煮こみ。その他、羊、豚肉、猪が多い。ムール貝が安くて美味しい。港に入ってくる小さな漁船が、ロブスターを持ってくると、港に立ち並ぶレストランの人が買いに来る。主人が「お前、ロブスター食べたいって言ってたろ、食べれば」 なんて言ってくれるけど、高くて手が出ません。
コルシカは、ショッピングに来るところではないそう。香料なんか安く買えると思ってたら、デンマークで買える値段の倍以上。ハイキングしながら、ローズマリーをたくさん摘みました。
そしてラッキーにも、入ったレストランで、団体さんにサービスなのかしら、ギター奏でて歌う人がいて、最後にBella Ciaoを歌った。フランス語わからなくても、これはイタリアのパルチザンの歌、若い頃、日本でも歌われた歌。つまり、コルシカ人がフランスから独立しようと抵抗運動をし、レジスタンスの人たちがマキで覆われている山中に隠れて暮らした頃のイメージかな。2003年、選挙で、少数の差で独立を諦めたのだそう。
カルビの街の砦の中にある教会で、コルシカの歌のコンサートがあった。男性5人、内3人がいろいろなString Instrumentsをかなで、男性ボーカリスト4人で、意味解らないけど良かった。隣の女の子、涙拭いてた。意味が解ってたらなあと、思った。フランス語、出来ないもの。残念。
野生の花が、すばらしいところでした。
邦子
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